出産付添い休暇に関する男女雇用平等法の改正

男女雇用平等法の改正案が2014年11月21日に台湾の立法院の第三読会で可決された。改正の概要は次の通りである。

一、女性労働者の配偶者の出産付添い休暇が5日間に拡大される

現行法の規定では3日間だが、帝王切開等による入院の可能性などの理由により、世話をする必要のある期間が比較的長いことを考慮して、改正法では配偶者の出産付添い休暇が5日間に拡大された。
このほか、現行の男女雇用平等法施行細則第7条の規定によれば、男性労働者は配偶者が分娩する当日及びその前後の計15日の期間内で、そのうち3日間を選んで出産付添い休暇を取得しなければならないとされていたが、出産付添い休暇が5日間に拡大されたことにより、施行細則の「前後計15日間」についても改正される可能性がある。

二、女性労働者の妊婦検診休暇として5日間が規定される

妊娠中の女性労働者の妊婦検診のニーズを考慮して、改正法では有給の妊婦検診休暇5日間が新たに設けられた。

三、女性労働者が生理休暇を取得した場合、賃金の半額を支払う

現行法では、女性労働者の年間の生理休暇取得日数が3日に満たない場合、傷病休暇に算入されないが、傷病休暇に算入される生理休暇、及び傷病休暇に算入されない生理休暇の賃金は、すべて傷病休暇の規定に基づくと定められていた。新法では、傷病休暇に算入されるか否かにかかわらず、生理休暇の賃金はすべて半額が支払われると改正された。

四、被用者が250人以上の場合、雇用主は授(搾)乳室などを提供する義務を有する

乳幼児の保育政策を実行するため、改正法では、次の規定が設けられた。
被用者が250人以上の場合、雇用主は次に掲げる施設、措置を提供しなければならない。
(一)授(搾)乳室
(二)託児施設又は適当な託児措置

五、雇用主が法に違反した場合の罰則が強化される

現行法第38条の1の規定によれば、雇用主が男女平等関連措置に違反した場合、罰金は10万台湾元以上50万台湾元以下とされていたが、改正法では30万台湾元以上150万台湾元以下に引き上げられた。

新法では、労働者の出産付添い休暇、妊婦検診休暇などについて大幅な改正がなされているため、就業規則における規定を今回の改正に合わせて改正すべきと考える。


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【執筆担当弁護士】

弁護士 黒田健二 弁護士 尾上由紀 台湾弁護士 蘇逸修