第184回 台湾法における商品の表示についての規定

弊職は、「外国企業が台湾で商品を販売する場合、商品にどのような表示をすべきでしょうか。中国語で表示しなければならないでしょうか」という問い合わせをしばしば受ける。商品に関する表示は主に、商品表示法の以下の条文に規定されている。

第7条第1項「商品表示に用いる文字は中国語を主としなければならず、英語またはその他の外国語で補足することができる」

第2項「商品表示を中国語で適切に行うことが難しい場合、国際的に広く用いられている文字または記号で表示することができる」

第8条第1項「輸入商品を国内市場で流通させる場合、輸入業者は本法の規定に基づき中国語の表示および説明書を付さなければならず、その内容は、原産地の表示および説明書と比べて簡略なものであってはならない」

第2項「外国の製造業者の名称および住所は、中国語で表示しなくてもよい」

第9条第1項「商品を市場で流通させる際、生産業者、製造業者または輸入業者は、次に掲げる事項を表示しなければならない。

1.商品の名称。

2.生産業者、製造業者の名称、電話番号、住所および商品の原産地。輸入商品に該当する場合は、さらに輸入業者の名称、電話番号および住所も表示しなければならない。

3.商品の内容。

(1)主な成分または材料

(2)正味重量、容量、数量または長さ・容積など。その正味重量、容量または長さ・容積については法定の度量衡の単位で表示しなければならず、必要に応じてその他の単位でも注記することができる。

4.中華民国暦または西暦の製造日。ただし、劣化が生じる製品の場合、有効期限または有効期間を注記しなければならない。5.その他、中央の主管機関の規定に基づき表示しなければならない事項」

2万元以上20万元以下の過料に

企業が上記の規定に違反した場合、商品表示法第15条の規定に基づき、主管機関が、まず生産業者、製造業者または輸入業者に一定の期間内に是正するよう通知し、期限が到来しても是正されない場合は、2万台湾元以上20万元以下の過料に処し、また、是正するまで連続して処罰することができる。

経済部は、商品表示法のほかに、電気機器、文房具、紡織品、履き物類などについて商品表示に関する特別規定を公布している。よって、日本企業は、台湾で商品販売を行う前にまず、商品の表示が法規定に合致しているかどうか法律の專門家に確認を依頼すべきである。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

執筆者紹介

台湾弁護士 蘇 逸修

国立台湾大学法律学科、同大学院修士課程法律学科を卒業後、台湾法務部調査局へ入局。数年間にわたり、尾行、捜索などの危険な犯罪調査の任務を経て台湾の 板橋地方検察庁において検察官の職を務める。犯罪調査課、法廷訴訟課、刑事執行課などで検事としての業務経験を積む。専門知識の提供だけではなく、情熱や サービス精神を備え顧客の立場になって考えることのできる弁護士を目指している。

本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。